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ストレスとは何か 〜ストレスに負けず自分らしく〜

 

ストレスとは何か
〜ストレスに負けず自分らしく〜

春は始まりの季節。

暖かな陽ざしが降り注ぎ、草花が芽吹くこの時期は、自然と気持ちが前向きになるものです。しかし、一方で環境の変化が多く、無意識のうちにストレスを抱えやすい時期でもあります。

進学や就職、新しい人間関係が始まることで期待とともにプレッシャーを感じたり、生活リズムの変化で疲れが抜けにくくなったりすることもあるでしょう。
私たちは日々、さまざまなストレスにさらされていますが、それがどのように心と体に影響を与えるのか、意外と知らないことも多いのではないでしょうか?

ストレスは必ずしも悪いものではなく、適度なストレスは成長やモチベーションにつながることもあります。
しかし、それをうまくコントロールできなければ、心身のバランスが崩れ、健康に悪影響を及ぼすことも。

この春、新しい一歩を踏み出すと同時に、ストレスについても改めて考えてみませんか?
「ストレスとは何か」を知ることで、自分自身の心と体に向き合い、より健やかに過ごすためのヒントを得られるはずです。

 

 

1.ストレスの基本情報

ストレスとは、外部の刺激(物理的・精神的・環境的)に対する心身の反応のことです。

ストレスには、モチベーションを高めたり、成長を促したりする「良いストレス」と、健康に悪影響を及ぼす「悪いストレス」があります。

主なストレスの原因には、「愛する人の死」「経済的困難」「仕事のプレッシャー」「人間関係のトラブル」「健康の不安」これらが積み重なると慢性ストレスへと発展します。

特に慢性的なストレスは、体や精神に大きな影響を及ぼし、健康を損なう要因となります。

 

2.ストレスが引き起こす身体の反応

ストレスを感じると、私たちの身体は交感神経が優位になり、「闘争か逃走」の反応を示します。

これは、太古の昔から人間が危険な状況から身を守るために備わってきた原始的な反応です。以下のような身体的な変化を引き起こします。

瞳孔の拡大

より多くの光を取り入れ、視界を広げる。

心拍数・血圧の上昇

身体を戦闘・逃走モードにする。

アドレナリン放出

瞬時のエネルギー供給を促す。

消化機能の低下

栄養吸収が悪くなる。

膀胱の収縮低下

尿意を感じにくくなる。

 

これらは短期間なら有益な反応ですが、長期化すると、副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され、食欲の増加、免疫力の低下、不安感の増大など、身体にさまざまな悪影響をもたらします。

さらに、ストレスは免疫システムにも影響を与え、病気にかかりやすくなる要因にもなります。

 

3.ストレスが引き起こす体内ダメージと免疫への影響

健康を維持する3つの要素

人間の健康を保つためには、以下の3つのバランスが大切だといわれています。

  1. 自律神経系
  2. 内分泌系
  3. 免疫系

この3つの要素が健康維持のために相互に密接に作用し合っています。

また、日常生活で遭遇するさまざまなストレスは、3つの要素に影響を与えています。

 

ストレスによるカラダの変調のしくみ

ストレスを受けると、脳の視床下部が反応し、自律神経(交感・副交感神経)のバランスが崩れます。

そのバランスが崩れることによって、副腎からノルアドレナリンというホルモンが出て、このホルモンが免疫を低下させます。

一方、内分泌系においては、ホルモンの乱れが生じ、最終的には副腎からコルチゾールが分泌され、これが免疫を低下させます。

ストレスを受けることにより、自律神経系、内分泌系、免疫系の3つのシステムにトラブルが発生します。

これは私たちの意思に関係なく起こります。

 

コルチゾールとその危険性

ストレス時に分泌される「コルチゾール」は「死のホルモン」や「ストレスホルモン」とも呼ばれるように、本来は炎症を抑えたりエネルギー供給を助けたりする重要な役割を果たしますが、慢性的な過剰分泌が続くと、脂肪の蓄積、筋肉や骨の減少、免疫機能の低下、気分の不安定化など、健康に深刻な悪影響を及ぼします。

 

酸化ストレスとその影響

ストレスが続くと、体内で活性酸素(フリーラジカル)が増加し、細胞が酸化ダメージを受ける「酸化ストレス」が発生します。

これにより、老化の加速、DNAの損傷、認知機能の低下などが引き起こされ、生活習慣病やがんのリスクが高まります。

 

ストレスと免疫システムの関係

ストレスによりダメージを受けた免疫システムは、免疫細胞(ヘルパーT細胞や制御性T細胞)の働きが低下し、感染症や自己免疫疾患のリスクを高める原因となります。

こうしたストレスによる体内ダメージを防ぐためには、ビタミンC・E、ポリフェノールなどの抗酸化物質を含む食品を摂取すること、適度な運動を行うこと、そしてストレス管理を意識することが大切です。

特に、瞑想深呼吸などのリラクゼーション習慣を取り入れることで、コルチゾールの過剰分泌を抑え、免疫システムを正常に保つことができます。

 

4.ストレスチェック

自分がどれだけストレスを抱えているかを知ることが、ストレス対策の第一歩です。以下のような項目をチェックし、日常の生活習慣を振り返ることが重要です。

  • 睡眠の質 – よく眠れていますか?
  • 食事 – 3食しっかり食べていますか?
  • リラックス習慣 – 瞑想やヨガ、趣味など、リラックスできる時間を確保していますか?
  • 運動習慣 – 週に4回以上、運動をしていますか?
  • 人との交流 – 友人や家族と定期的に会っていますか?

 

5.ストレス対策

「4.ストレスチェック」の診断をもとに、生活習慣を見直し、「十分な睡眠」「バランスの良い食事」「適度な運動」を心がけることが重要です。

ヨガや瞑想、深呼吸などのリラックス方法も効果的で、心と体の緊張をほぐします。

また、自然の中で過ごす時間を増やすことで、コルチゾールの減少が期待できます。

ストレスに対処するための具体的な対策方法は以下の通りです。

  • 定期的な運動 – エンドルフィンの分泌を促し、気分を安定させる。
  • 瞑想・ヨガ – 副交感神経を活性化し、リラックス効果を高める。
  • 趣味を持つ – 園芸、読書、ハイキングなどで心を落ち着ける。
  • 良質な睡眠 – 睡眠時間を確保し、睡眠環境を整える。
  • 自然と触れ合う – 20〜30分間、自然の中で過ごすことでコルチゾールレベルを低下させる。
  • サポートシステムを活用する – 家族や友人とのコミュニケーションで精神的な支えを得る。
  • アロマセラピー – 香りが自律神経に作用。

 

D-リモネンとストレスの関係

ストレス対策には運動や睡眠、リラックスした時間の確保に加え、食事や香りを活用することも効果的です。

特に、柑橘類の皮に含まれる D-リモネンは、ストレス軽減に役立つ成分として注目されています。

主な効果は以下の通りです。

  • リラックス効果 – 自律神経を整え、ストレスホルモンの分泌を抑制。
  • 抗酸化作用 – 酸化ストレスを軽減し、細胞のダメージを防ぐ。
  • 気分を安定させる – セロトニンの分泌を促し、リラックスした気分に導く。

 

D-リモネンを含む柑橘系エッセンシャルオイル(レモン、タンジェリンなど)をディフューザーで拡散させたり、柑橘系の果物を摂取したりすることで、ストレス対策として活用できます。

また、D-リモネンはクコの実等のベリー類にも含まれており、日々の習慣に取り入れることで心身のバランスを整えるサポートとなります。

 

 

サポートシステムの活用

ストレスを一人で抱え込まないことも大切です。

家族や友人とのつながりを持つことで、精神的な安定を得られ、ストレス耐性が向上します。

支援してくれる人や専門家に相談することで、ストレスを効果的に管理できます。

また、趣味を持つことも心のリフレッシュに繋がり、ストレス対策となります。

 

6.まとめ

ストレスは、誰もが避けられないものですが、その正体を理解し、適切に対処することで、私たちの心と体はより健やかに保たれます。

春の訪れとともに、新しい環境や変化に直面するこの時期だからこそ、ストレスに負けず自分らしく過ごすために、自分のストレスと向き合い、その影響を知ることが大切です。

 

 

「YL Day」アーカイブで視聴

4月11日(金)に開催された「YL Day」のドクターセミナー、「ストレスとは何か?」のアーカイブ視聴が可能です。

禹(ウ)先生によるこのセミナーでは、ストレスの本質やそれが私たちの身体に与える影響、そしてその効果的な対策について、ドクターの視点からわかりやすく解説しています。

新年度を健やかにスタートするためのヒントが満載のセミナーです。ストレスとの上手な付き合い方を学び、より良い健康を手に入れるための第一歩を踏み出しませんか?

「YL Day」をアーカイブで視聴いただけますので、ぜひご覧ください。

 

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本記事は中部大学大学院・応用生物学研究科教授 禹 済泰(ウ ゼテ:Je Tae Woo)博士による監修を受けています。