【コンプラ知恵袋】健康維持とセルフメディケーション-2019年1月|Compliance(コンプライアンス)

【コンプラ知恵袋】

健康維持とセルフメディケーション

自分の体調を自分でケアする「セルフメディケーション」の考えが国の方針として進む中、医薬品販売に関する規制緩和によって、ネット販売の解禁と薬剤師がいなくても可能な一般医薬品の販売が認められるようになりました。栄養食品や化粧品などによって健康維持することと、軽い病気症状を自分でケアする「セルフメディケーション」を上手にコントロールすることが健康管理の知恵といえます。今月はより身近になった医薬品と栄養食品や化粧品の使い方を間違わないよう、一般医薬品のことについて少しお話します。

一般医薬品とは

医薬品には、医師の診断による処方箋が必要な医療用医薬品とネットやドラッグストアで薬剤師などのアドバイスを得て、自己責任で購入できる一般医薬品の二種類があります。一般医薬品はリスクに応じて1類〜3類に分類されています。

  1. 1類はリスクが高く、薬剤師の駐在が必要です。
    • 医薬品としては、胃腸剤、一部の育毛剤、ニコチン貼付剤など、です。
  2. 2類はリスクが中程度で、薬剤師か登録販売者の駐在が必要です。
    • 医薬品としては、風邪薬、解熱剤鎮痛剤など、です。
  3. 3類はリスクが低いもので、薬剤師か登録販売者の駐在が必要です。
    • 医薬品としては、ビタミン剤、整腸剤など、です。

一般医薬品を利用するメリットは、医療機関が開いていない時間帯でも買うことができることや病院に行く時間や費用を節約できることですが、薬の重複や相互作用の可能性がありますので薬剤師などと相談する必要があります。

インターネットで買える医薬品について

インターネットで一般医薬品を販売する業者は薬剤師や登録販売者が駐在する実店舗を持っており、サイトを訪問した消費者から医薬品の相談を受けられる体制になっています。最近では、アマゾンも実店舗を開業してインターネット上で一般医薬品の販売に力を入れています。

しかし、インターネットで医薬品を購入するときは注意が必要です。
海外サイトで個人輸入する医薬品は日本の法律に基づく品質・安全性・有効性が確認されていなかったり、偽造医薬品の場合もあります。
また、国内のサイトでも偽造医薬品以外に、人体に有害な成分が配合されていたり、表示と異なる量の成分が含まれている商品が販売されることがあり、健康被害のおそれがありますので注意が必要です。

最後に

「セルフメディケーション」として一般医薬品が自己責任で手軽に購入できる身近な商品になりましたが、化粧品や健康食品は医薬品的な効能効果を表示してはならないことに変わりがないため、一般医薬品に書かれているような効能効果を謳うことはできません。
一度、お近くのドラッグストアで、商品の外箱に記載されている表示を見て、医薬品1~3類、医薬部外品、トクホ、機能性表示食品、健康食品、化粧品の区別を確認されることをお勧めします。効能効果はそれぞれ法律で許される範囲内で表示されていることがわかります。
最後に、栄養食品や化粧品による健康維持と病気の症状が出たときに「セルフメディケーション」を上手にコントロールすることは日常生活の健康管理の知恵といえます。