【コンプラ知恵袋】
会員がお客様に製品を紹介し説明するとき、会社が提供する情報以外に、インターネット検索によって個人体験談や専門家が説明する効能効果の情報を利用することがあるかも知れません。インターネット上には豊富に情報がある一方で、客観的に根拠のない、非科学的な情報が多いことに注意が必要です。
そしてネット情報を安易に利用し、お客様に間違った情報をお伝えすることは絶対に避けなければなりません。ヤング・リビングは倫理上、会員がお客様に製品を紹介するとき、真実のみをお伝えし、正直な態度をとることを求めています。今月は会員が問題ないととらえて、製品説明に使用しがちな不適切な表現や、お客様に誤解を与える可能性のある表現を取り上げます。
メディカルとは「医療・医学に関連すること」を意味します。ヤング・リビングが扱うエッセンシャルオイルは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（以下、薬機法）上は化粧品であり、もし、医療を目的に使用する場合は厚生労働省から医薬品もしくは医薬部外品の認定を受けた上で、所定の医療に使用する必要があります。エッセンシャルオイルはこのような認可を受けていないため、メディカル・アロマと表現してしまうとエッセンシャルオイルが医療に使用可能であるかのようにお客様に誤解を与えますので、この表現は正しくありません。
類似した表現に、セラピーあります。セラピーには「治療、療法、薬や手術によらない心理療法や物理療法」の意味がありますので、メディカル・アロマと同様にセラピーグレード・アロマは正しい表現ではなく、使用すべきでありません。
エッセンシャルオイルは化粧品ですので肌に塗布することは可能ですが、エッセンシャルオイルの中には肌に直接塗布すると刺激が強いため肌荒れを起こすことがあります。そこで、ヤング・リビングは使用前に必ずパッチテストを行い、かぶれないことを確認した上で直接肌に塗布せずにV6マッサージオイルを塗布した上から、エッセンシャルオイルを使用することを薦めています。
万一、使用中に肌に異常が見られたときは即時に使用を中止し、医師の診断を受けるべきです。「好転反応だから」といって継続使用を薦めるようなことは決してあってはなりません。消費者庁は「好転反応」という表現に客観的な根拠がないにも関わらず、販売につなげると、薬機法違反の恐れのあるとして使用を禁止しています。
エッセンシャルオイルの一部は食品添加物として登録されており、食品に数滴添加して香りを楽しむのが正しい使用方法ですが、飲用ではありません。「飲用可能」という表現は、食品衛生法で定義される食品に相当し、食品添加物と区別されます。この誤った表現によってお客様がエッセンシャルオイルをカプセルに入れて飲んだり、コーヒーなどに大量に入れて飲んだりしてしまう恐れがあります。
また、ヤング・リビングは多量にエッセンシャルオイルを飲用した場合の人体に対する安全性を保障していません。「飲用可能」という表現は食品添加物でなく飲料を想像させますのでこの表現は正しくありません。
コロナウイルス感染防止対策の一つとして免疫力アップが話題になっていますが、免疫力とコロナウイルス感染の関係性は実証されておらず、厚生労働省は免疫力にコロナウイルス感染防止効果があることを認めていません。
また、「免疫力アップ」は身体機能の強化を表現しますので、医薬品及び医薬部外品が表現できる効能効果に分類されます。したがって、化粧品のエッセンシャルオイルや健康食品（サプリメント）のニンシアレッドを説明するときに「免疫力アップ」という表現は使用できず、さらには薬機法違反の恐れもでてきます。
女性ホルモンの分泌や調整に関わる表現は身体の機能に影響する働きを示すため、医薬品及び医薬部外品の効能効果の領域であり、化粧品のエッセンシャルオイルは「女性ホルモンに効果的」という表現はできません。
類似した表現に、「更年期障害に効果的」がありますが同様に医薬品でないエッセンシャルオイルの説明にこのような効能効果を表現することは正しくありません。
自然治癒力とは「人間が生まれながらにして持っている、ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現」であり、「自己治癒力」ともいわれます。
自然治癒力アップの表現はケガや病気を治す力や機能をアップさせる意味であるため、この働きの効能効果は医薬品及び医薬部外品の領域であり、化粧品のエッセンシャルオイルやサプリメントの説明に「自然治癒力アップ」の効果を謳うことはできません。
デトックスとは「生理学的・医学的に生物の体内にたまった有害な毒物を排出させること」です。
消費者庁は「デトックス効果」は客観的・科学的根拠がないことが多く、医薬品及び医薬部外品の効能効果と定めており、化粧品のエッセンシャルオイルやサプリメントにはデトックス効果の表現を使用することはできません。
エッセンシャルオイルやサプリメントによる病気治療体験談は本人が因果関係を合理的と判断するかもしれませんが、客観的・科学的な根拠がなく誰でも同じ効果を得ることができません。
消費者庁はネット上で治療体験談の記事を掲載して製品を販売することは特定商取引法の「不実告知」や、景品表示法の「優良誤認」に相当する恐れがあるとしていますので、治療体験談の記事は掲載するべきでありません。
最後に
お客様に正直な態度で接することは信頼関係を築く基礎であり、このような会員の態度がヤング・リビングのイメージ向上につながります。そのため、お客様に真実で正しい製品情報を提供するためには、製品の情報源はしっかり確認されたものでなければなりません。
ネットには情報が溢れており、情報検索が簡単である一方、精査された情報とそうでないものとの区別が難しいことがあります。
また、根拠があいまいであったり、個人的な偏向した意見であったり、フェイク情報もあります。ヤング・リビングでは会員に対し、公式ホームページやブログ・紙媒体を通して、正しい製品情報の詳細を提供しています。ぜひご利用ください。