【コンプラ知恵袋】
ネットワークマーケティングが生まれた背景や歴史とそれに関連する法律の主旨は、シェアリング会員登録の勧誘活動において有用な情報となります。今回は、少し歴史をさかのぼってお話します。
ネットワークマーケティングは第二次世界大戦後にアメリカで誕生しました。
もともとアメリカでは19世紀後半から20世紀前半にかけて戸別訪問販売型のダイレクトセリングが発達していました。アメリカのダイレクトセリングは、販売員の増加に比例して伸びていきましたが、一方で、販売員数の増加とともに、販売員一人あたりの平均収入が減少するという事態も起きていました。
そこで、1940年代後半にこの限界を打破するために、市場拡大に貢献した販売員に対して追加収入を支払う報酬プランを採用する企業が現れました。その典型的企業がニュートリライト社であり、これがネットワークマーケティングの起源です。
アメリカで生まれたネットワークマーケティングが、本格的に日本で始動しはじめたのは1970年代に入ってからになります。しかし、70年代初期に、ネットワークマーケティングを装ったピラミッドセリング(いわゆる悪質マルチ商法)が日本の市場に参入し、健全なネットワークマーケティングの社会的信用を傷つける消費者問題を相次いで起こしていました。そのような経緯のため、日本では、健全な流通ビジネスとしてのネットワークマーケティングの社会的認知が、今なお確立されていないという残念な側面があることは否めません。
一方、70年代にネットワークマーケティングが日本で広がり始めた背景にはライフスタイルの変化があります。訪問販売の主な顧客である主婦が、家庭にいるよりも、仕事や趣味、友人との交流などの時間を増やすようになりました。また、この時代は主婦の社会への参加意欲が旺盛になってきた時期でもありましたが、家庭との両立でフルタイム働くことは難しいものでした。この点で、自分で働く時間を決めることができノルマがないことに加え、自分のこだわりや趣向にあった製品の紹介ということも主婦たちのニーズに合っていたのです。
業者の悪質な販売行為により消費者が被害を受けた実態を背景に、1976年に「訪問販売などに関する法律(旧訪問販売法)」が制定されました、その後、特定商取引法に名称を変更し、消費者が被害を受ける取引実態に合わせた様々な規制をおりこんだ内容に改正が行われ、現在に至っています。
特定商取引法・薬事法・消費者契約法・景品表示法など、いわゆる消費者関連法は、消費者を悪質な取引の被害から守り、被害を受けたときには救済することを目的としています。その目的のため、業者の販売行為に規制を設けることによって消費者被害を未然に防ぎ、消費者が金銭的な被害を受けたときはクーリングオフで救済します。
法律の前提は、例えば、会員の皆さまが一般の方をシェアリング会員に勧誘するとき、相手は会員と比較してヤング・リヴィングの製品やボーナス、シェアリング会員登録内容について知識が少ない、もしくは全くないため、弱者の立場にあります。
もし、会員が製品の医薬品的効能効果やボーナス収入が保証されるような説明をすれば、相手は疑いもなくそれを信じて登録する恐れがあり、場合によっては消費者被害を発生させてしまいます。
もし、相手が「治療効果があると聞いたので製品を購入したのにその効果が全くない、以前より体調が悪くなった、病気が進行した、騙された」とか「必ず収入が入ると言われたので製品を購入し、教えられたとおり活動しても収入が入らない、在庫がたまった、お金が続かない、騙された」と言ってきたとき、会員はどのような対応ができるでしょうか。
問題解決の対応に不満を持った相手は消費者センターに相談するでしょうし、訴訟を起こすことだってあり得ます。このような残念な事態を防ぐために、日ごろの活動に法律順守が大切です。
ヤング・リヴィングは会員の皆さまが一般の方をシェアリング会員に勧誘するとき、特定商取引法など関連法と会社規約を遵守することを義務としています。
シェアリング会員を勧誘するとき、具体的に以下を守る必要があります。
これらのことをもれなく口頭で伝えることは難しいので、概要書面を用いて、説明をすることをお勧めします。
最近は、ホームページ・ブログ・SNSを利用する会員が増えていますが、活用する際は概要書面に記載される利用ガイドライン(規則)を守らなければなりません。
中でも重要なことは、ホームページ・ブログ・SNSを通じてシェアリング会員登録を勧誘することは会社規約によって禁止されています。
禁止される理由は、シェアリング会員登録の内容が複雑であること、そして登録後の会員活動の義務や禁止行為等を相手に理解してもらうために、時間を十分にとり、概要書面を見せながら説明することが必須であるためです。ホームページ・ブログ・SNSによるオンラインコミュニケーションではそれが不十分になり、特定商取引法違反の恐れがあります。
コロナウイルスの影響により会員の皆さまは活動方法の見直しを余儀なくされていることと思います。中でも、ホームページ・ブログ・SNSを利用したオンラインコミュニケーションは増えてゆくものと考えられます。
一方で、特定商取引法など関連法を順守することは必要条件であり、法律に親和的なオンラインコミュニケーションを実行してゆかなければなりません。
今後、ヤング・リヴィング ジャパンは会員の皆さまが正しく有効にホームページ・ブログ・SNSを利用できるよう、規約や制度の見直しも検討してまいります。