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【コンプラ知恵袋】SNSは正しく利用しましょう|Compliance(コンプライアンス)

【コンプラ知恵袋】

SNSは正しく利用しましょう

時代の流れと共に、プライベートだけでなくビジネスにおいてもSNSは欠かせないツールになってきました。

つい先日、ヤング・リビングと同業企業の会員がSNSを利用して、違法な商品販売と会員への勧誘を行い検挙されたニュースが報道されていました。

SNSをビジネスに利用する場合、特定商取引法(以下、特商法)や、消費者関連法に抵触する恐れがあります。

そこで、今月はSNSを利用する際に知っておくべきルールを確認していきます。

 

1.今回の事案のあらまし

2021年11月11日、MLM会社の男性会員が、SNSのマッチングアプリで知り合った女性をエステに誘った。

エステの施術後に事前の説明もなく、MLM会社の製品を販売した上、会員登録させた。

契約後に女性が行政に苦情相談。

男性会員とエステスタッフの二人が警察に逮捕された。

この事案で問題なのは、

・自身が会員である会社の製品販売と会員登録が目的であることを隠したこと

・SNSで知り合った女性をエステに誘い、いきなり勧誘したこと

の2点です。

目的を隠していきなり勧誘することは法律で規制されています。

 

例えば、特商法33条の2「氏名などの明示」と言う項目では、勧誘に先立って消費者に以下の事項を告げなければならないと定められています。

1)勧誘者及び統括者の氏名もしくは名称

2)特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘する目的である旨

3)その勧誘に関わる商品または役務の種類

 

今回の事案では、女性の目的はSNSで知り合った男性への関心であり、エステでの製品購入や会員登録ではないと判断できます。

さらに、断れない状況を作られてしまい、言われるがままに契約させられたとも推測できます。

このような事例が過去に何度も起こっているため、行政はSNSを利用した製品やサービスの販売被害が増えていることに警鐘を鳴らしています。

 

2.ヤング・リビングではSNSでの製品販売や会員登録の勧誘を禁止しています

ヤング・リビングは会社規約によってSNS上で製品を紹介しブランドパートナーやショッピングメンバーを勧誘することを禁止しています(概要書面規則9-1)。

その理由はSNS上では、先ほどの特商法33条の2「氏名などの明示」で定められた3つの項目の記載を徹底できないからです。

さらにもう一つ。

SNS上でブランドパートナーを勧誘するとき、特商法(連鎖販売取引)が定める以下の重要事項の告知を徹底することができないからです。

1)会員登録する前に消費者に概要書面を交付すること(特商法第37条)

2)重要事項を告知すること(特商法第35条):勧誘者及び統括責任者の氏名もしくは名称・住所・電話番号、製品の種類、特定負担、特定利益(ボーナスプラン)の告知。

3)契約の解除を告知すること(特商法第40条);クーリングオフ、中途解約、返品ルールの告知。

の3つです。

 

3.ヤング・リビングが推奨するSNS利用方法

SNS上でヤング・リビングの情報を掲載できない訳ではありません。

そこで、下記に推奨する利用方法をまとめました。

 

1) SNS上にはヤング・リビング製品の使用感や体感のみを掲載してください

製品購入価格や購入方法を紹介したり会員登録方法を案内する書き込みをしないでください。

製品や会員登録の説明はSNS上でなく、下記2)と3)に従いダイレクトメールや対面で行ってください。

 

2)SNS上で知りあった人にブランドパートナーやショッピングメンバーの登録を勧誘したいとき

SNSでなくダイレクトメールを使い、勧誘に先立って「氏名などの明示」を告知し、相手の承諾を取ってください(特商法第36条の3 「オプトインメール規制」)。

相手の承諾が取れた後、ブランドパートナー登録を薦めるときは、特定商取引法に定める重要事項(上記2項)を告知することを忘れずに、十分に説明できる時間と環境を作り相手が理解できるように丁寧な説明を行ってください。

必ず、登録前に概要書面を手渡してください。

 

3)SNSの投稿を見て製品に興味を持った消費者から、「もっと説明を聞きたい、どうやって製品が買えるのか」といった問い合わせがあった場合

ダイレクトメールか対面で製品の説明を行なってください。

ブランドパートナー登録を希望する消費者に対しては、上記2)と同じく、十分に時間の取れる環境を作って説明を行い、登録前には必ず概要書面を手渡してください。

 

4)SNS上で不特定多数対象に直接販売(ネット通販形式)できないことにも注意

ヤング・リビングはSNS、ブログ、ホームページ上でネット通販のように消費者に直接製品を販売したり、アマゾンやメルカリなどに出品して販売することを規約で禁止しています(概要書面規則9-1の3)。

 

4.まとめ

ヤング・リビングの会員活動にSNSを利用すれば、知り合いの数は増えていくでしょう。

知り合った相手に製品を紹介したい、会員登録を薦めたいと思ったら、事前に必ず

・自分の氏名

・ヤング・リビングの会員であること

・ヤング・リビング製品の販売もしくは会員登録を薦めることが目的であること

を伝え、相手の承諾を得ることが必要です。

 

いきなり、ヤング・リビングの製品紹介や会員登録を薦めるのでなく、相手が心の余裕をもって話を聞ける機会を作ることが大切です。

顔の見えないSNS上でのやりとりだからこそ、相手に誤解を与えないように細心の注意を持って活動していきましょう。