– 朝 6：00 –

妻の声で、目を覚ます。
昇進を見据えた試験勉強で、昨夜は0時まで起きていたため、なかなか布団から出られない。しかし、朝イチのミーティングのため、1時間後には子供2人を連れて家を出なければ！自分を奮い立たせながら、起き上がる。

– 朝 7：00 –

天気は快晴。
玄関でもたつく4才の らいとに 「先生やお友達が待ってるぞ！」と声をかける。妻が作った弁当をビジネスバッグに入れ、バタバタと出発。おっと！月曜はゴミ出しの日。こないだは忘れて、後から みおにチクリと言われてしまったんだった。

– 朝 8：30 –

勤めている都心のオフィスビルまで、片道約1時間。電車内では、新聞の電子版に目を通す

『人生100年時代 長く働くことで 老後のお金の安心につながる』 か・・・。

出社後すぐにミーティング参加。
同期の渋谷はすでに着席している。新製品プロジェクトのリーダーとして大きなチームをまとめ、部下からの信頼も厚い。最近の渋谷は益々エネルギッシュで、心身ともに調子がよさそう。自分と同い年のはずだけどこの違いはどこから来るのだろう。自分も負けてられないぞ！

– 昼 12：00 –

一仕事終えて、オフィスビルにある屋上テラスで、持参した弁当を取り出す。家族の健康を考えられた弁当の中身に、みおの愛情を感じる。
ふと、今週土曜日はみおの誕生日であることを思い出す。子供が生まれてから、休日もゆっくり休めない日々。

そうだ、プレゼントに みおがリラックスできるアロマグッズなんてどうだろう。同じフロアにいる社員が確か詳しかったはず。後で尋ねてみよう。

– 15：00 –

いつもこの時間になると、疲れと眠気との闘いになる。
しかし、今日の仕事はまだまだ終わらない。大きく深いため息をつく。そこにたまたま渋谷が通りかかった。

「増田、元気ないな、何かあったか？」
「最近どうも疲れが取れなくてな。渋谷はずいぶん調子よさそうだけど、何かやってるのか？」
「特別なことはしてないよ。でも近頃、これを飲み始めたんだ。」

渋谷は、緑の葉っぱの絵が描かれた、手のひらに収まるスティックタイプのパウチを手渡してくれた。

「あ、ありがとう・・・これは？？」
「よかったら飲んでみて。最近注目されているビタミンB群の液状サプリなんだ。とろっとしてるから、水なしでそのまま飲んでみたらいいよ。すぐにエナジーチャージしたいときにお勧めだよ。』
「ビタミンB群？前に錠剤で飲んでいたことはあるけど、液状タイプなんてあるんだな。飲んでみるよ。」

– 15：45 –

妻から電話。
長男のらいとが発熱のため、今から保育園へ迎えに行けるかの確認だった。心苦しいが、自分は16時からミーティングがあると伝え、妻に長男のお迎えをお願いする。両親は遠方に住んでおり、夫婦2人で子育てをしているため、４人家族のうち１人でも体調を崩すとその後のやり繰りに苦労する。今日は出来るだけ仕事を早く切り上げて、家族のもとに帰ろう。

– 20：00 –

結局仕事が長引いて、遅くなったことに申し訳なさを感じながら帰宅。
幸い、らいとの体調も落ち着いてきたようだ。一息つく間もなく、子供たちの世話や明日の準備を手伝う。今日も慌ただしい1日が終わろうとしている。

– 21：00 –

ふみおはふと、渋谷から受け取ったサプリメントを思い出す。何気なく飲んでみた。みおがすぐに気づいて聞いてきた。

「それなに？初めてみるわ。」
「今日会社で、渋谷にもらったんだ。ビタミンB群の液状サプリなんだって。最近渋谷が調子よさそうでさ、聞くとこれを飲んでるって教えてくれたんだ。」